おじさんとおばさんのいる山村
おじさんとおばさんは台湾の南東に位置するとある山村で暮らしています。
観光地として有名な温泉地にほど近いこの村ですが、村の生活の糧の多くは高原で作る新鮮な野菜と、この地方一帯で伝えられてきた伝統製法で作られた織物やカゴたちです。
おじさんとおばさんは普段は温泉地に向かう道の途中にある小さなテントの下で、色鮮やかな手作り商品と野菜を並べて売っています。
おじさんのカゴは元々はその土地に暮らしていた住民が日常的に利用していた藤や竹など自然素材を使い編み上げた生活器具でした。
しかし、昨今の事情で自然素材を手に入れることが年々難しくなり、現在はPP素材の紐で代用されています。
この紐は固いのでとても丈夫ですが、それだけ編む事も大変だそうで、「こうしてないと痛いんだよ」といっておじさんが見せてくれた両手の親指と人差し指には黒いビニールテープでテーピングされていました。
おばさんの機織り機械はとても小さなものでした。
その機械で一目一目、ゆっくりと丁寧に横糸を通していきます。トントン、と横糸を納める時の真剣な顔!
機織りは昔おばさんたちが幼少の頃に必ず習う技術でした。
そして13、4歳までに美しい布が織れる技術をマスターすれば、織物技術を習得したと認められた女性は、村の男性や父母から愛され、称賛され、結婚の好条件の一つとなったり、社会的地位を獲得することができたそうです。さらには死後、虹の橋を渡って天国へ行き、祖先の霊達と一緒に暮らすことができる、という言い伝えがあるんだそうです。
おばさん自身は1998年に自宅に工作室を設け、以来たった1人でさまざまな生地を織り上げてきました。
近年土産物屋で見かける物の大部分は機械織りの大量生産ですが、おばさんのバッグは生地からおばさんが1人で作り上げた作品です。



















